信用情報の異動とは?意味と消えるまでの期間、確認方法

信用情報 11min

信用情報の「異動」とは、長期延滞・保証履行・破産などを示す記録

信用情報とは、クレジットやローンの契約内容や支払いの状況を記録した情報です。CICでは、そのなかで「異動」は、長期間の延滞、保証履行、破産手続開始決定などの事実を示します。

CICの開示報告書では、契約ごとの「返済状況」という欄にこの文字が表示されます。一般に「金融事故」「事故情報」と呼ばれるものと、ほぼ同じ意味で使われています。

CICで「異動」と表示される3つのケース

CICの説明では、次のいずれかに当てはまると、返済状況が「異動」になります。

・返済日より61日以上、または3ヶ月以上の支払いの遅れ(延滞)がある、またはあった

・返済ができなくなり、保証会社が代わりに支払った(保証履行)

・裁判所で破産手続開始の決定がされた

「延滞があった」も含まれる点が大切です。延滞分を払い終えたあとも、異動の記録はすぐには消えません。この点は後半で詳しく説明します。

「ブラックリスト」という名前のリストはない

異動がある状態は、俗に「ブラックリストに載る」と言われます。ただ、CICはブラックリストという名称のリストはないと説明しています。

登録されるのは、支払いが遅れたなどの客観的な取引の事実です。その情報を審査でどう判断するかは、クレジット会社などがそれぞれ独自の基準で総合的に決めています。

数日の遅れでも入金状況に「A」が記録されることがある

延滞による異動の基準は61日以上または3ヶ月以上なので、数日の遅れがそのまま異動になるわけではありません。

ただし、毎月の支払いの様子は「入金状況」として、24ヶ月分が記号で表示されます。主な記号の意味は次のとおりです。

・「$」……請求どおり、またはそれ以上の入金があった

・「P」……請求額の一部が入金された

・「A」……本人の事情で、約束の日に入金がなかった

・「B」……本人の事情とは関係のない理由で入金がなかった

ただし、数日の遅れが必ず「A」として記録されるわけではなく、会員会社の報告内容や更新状況によって表示は異なります。「異動」の文字がなくても、「A」が続いている場合は、審査で慎重に見られることがあります。

「異動」の表し方は信用情報機関ごとに違う

日本には、個人の信用情報を扱う機関が3つあります。同じ延滞の記録でも、機関によって開示結果での表し方が違うため、見落としやすいところです。

・CIC(株式会社シー・アイ・シー)

・JICC(株式会社日本信用情報機構)

・KSC(全国銀行個人信用情報センター)

どの機関に記録があるかは、どの会社と契約していたかで変わります。1つの機関だけを見ても、全体はわからない場合があります。

CICは返済状況の欄に「異動」と表示される

CICの開示報告書には、契約ごとに「お支払の状況」という区分があります。その中の「返済状況」に「異動」と表示され、当てはまらない場合は空欄です。

異動のときは、延滞などが発生した日付が「異動発生日」として添えられます。いつから記録が始まったかは、この日付で確認できます。

JICCは「異動参考情報」として延滞や債務整理が載る

JICCの開示結果では、「異動」ではなく「異動参考情報」という呼び方が使われています。延滞や債務整理などがこれに当たります。

発生日は、各債権情報の「異動参考情報等」の欄で、項目の括弧内の日付として確認できます。概要欄には発生日が表示されないので注意してください。

JICCが登録する「取引事実に関する情報」には、次のようなものが含まれます。債権回収、債務整理、保証履行、強制解約、破産申立、債権譲渡などです。

KSCは延滞・代位弁済などの事実と官報情報を記録する

KSCは、全国銀行協会が設置・運営する機関で、主に銀行などの金融機関が加盟しています。公表している登録情報の一覧では、「異動」という区分名は使われていません。

その代わり、取引情報として返済状況の履歴が登録され、延滞・代位弁済・強制回収手続などの事実も含まれます。官報に公告された破産・民事再生の手続開始決定は、「官報情報」として別に登録されます。

異動の記録はいつ消える?「解消」と「削除」は別のもの

異動について、もっとも誤解が多いのがここです。延滞分を支払えば記録がすぐに消えると思われがちですが、実際には「解消」の記録が付くだけで、削除されるのはもっと先になります。

延滞を払い終えても「解消」と表示されるだけで記録は残る

CICの開示報告書では、遅れていた未払い金を払い終えると、補足内容の欄に「解消」と表示され、延滞解消日が記録されます。返済状況の「異動」は、そのまま残ります。

また、異動が発生したあとの状況は「経過状況」の欄に表示されます。

・更新停止……クレジット会社などが毎月の更新をできなくなった

・支払条件変更……和解や再契約などで、支払条件が変わった(減額を除く)

・支払総額変更……和解や再契約などで、支払総額が減った

削除の時期は「保有期限」の欄でわかる

契約が終わると、CICの開示報告書の「保有期限」の欄に年月が表示されます。残債額が0円で、終了状況の欄に記載がある場合、報告日から5年間が保有期限です。表示された年月の月末に、情報が削除されます。

終了状況の主な表示は次のとおりです。

・完了……支払うべき金額をすべて支払い、契約が終わった

・本人以外弁済……保証会社など、本人以外から支払いがされた

・貸倒……クレジット会社などが貸倒れとして処理した

・法定免責……破産により、支払いの免除が法的に認められた

終了状況が空欄のものは、契約が続いている状態です。この間は、削除までの5年の数え始めが来ません。

機関ごとの登録期間

2026年10月時点で、各機関が公表している登録期間は次のとおりです。

・CIC……クレジット情報(契約内容と支払状況)は、契約期間中および契約終了後5年間

・JICC……2019年10月1日以降の契約は、契約継続中および契約終了後5年以内

・KSC……取引情報は、契約期間中および契約終了日(完済していない場合は完済日)から5年を超えない期間。官報情報は、決定日から7年を超えない期間

JICCでは、2019年9月30日以前の契約に別の決まりがあります。延滞情報は延滞継続中、延滞解消の事実は発生日から1年を超えない期間とされています。

なお、JICCの「以内」という表記は、会員会社の退会などで5年より前に削除される場合があるためです。通常は、契約終了から5年間登録されています。

延滞や債務整理など、記録全体の仕組みは、金融事故について解説した記事でもまとめています。

開示報告書で異動を確かめるときに見る欄

自分に異動があるかは、各機関に開示を申し込めば確認できます。推測で悩むより、実際の記録を見たほうが、次の行動を決めやすくなります。

開示の方法と、見る欄の順番

CICのインターネット開示は、毎日8時〜21時45分に受け付けていて、手数料は500円です。スマホと、CICに登録されている電話番号、署名用電子証明書が有効なマイナンバーカードが必要です。

郵送の場合は、申し込みから1週間〜10日ほどで開示報告書が届きます。手数料は1,500円です。

開示報告書が届いたら、上から順に次の欄を見ると整理しやすくなります。

・登録元会社と契約の内容……どの契約の情報かを確かめる

・返済状況……「異動」の有無と、異動発生日

・経過状況と補足内容……「解消」などの記載があるか

・終了状況と保有期限……契約が終わっているか、いつ削除されるか

・入金状況……「A」が並んでいないか

事実と違う登録があったときは登録元の会社に調査を依頼する

CICは、登録内容が事実であれば、訂正や削除はできないとしています。一方で、内容が事実と違い心当たりがない場合は、登録元のクレジット会社などに問い合わせるよう案内しています。調査の結果、誤りがわかれば、登録元の会社が訂正・削除を行います。

JICCも、まず登録元の会社に調査を依頼するよう案内しています。会社に問い合わせても解決せず、誤りの可能性が高い場合は、開示日から2ヶ月以内であればJICCを通じて調査を依頼できます。

携帯料金の未納は「異動」とは別の記録になる

スマホを使っている方にとって気になるのが、携帯料金との関係です。携帯の支払いには通信料金と端末代金の2種類があり、記録される場所が違います。

通信料金の不払いはTCAの不払者情報として交換される

毎月の通話料やデータ通信料の不払いは、信用情報機関の異動とは別の仕組みで扱われます。一般社団法人電気通信事業者協会(TCA)の案内では、契約解除後に料金不払いがある方の情報を扱っています。この情報は、携帯電話会社などの移動系通信事業者の間で交換されています。

交換の期間は契約解除後5年以内ですが、料金を完済すれば対象から外れます。自己破産などで免責が決定している方も含まれません。

完済した事実が他社にすぐ伝わらず、情報が残っている場合もあります。心当たりがあるときは、申し込み先の事業者に申告すれば、以前の事業者に確認してもらえます。

端末の分割払いの延滞はCICの異動になる場合がある

スマホ本体を分割払いで買うときは、携帯電話会社などが信用情報を確認しています。契約後に延滞や未払いがあれば、その事実も支払状況としてCICに登録されます。

そのため、端末代金の支払いが長く遅れると、返済状況に異動が登録される場合があります。「携帯料金を滞納した」という場合でも、通信料金だけなのか、端末代金も含むのかで、残る記録は違います。

異動があるとわかったら、いまからできること

異動の記録は、年単位で残ります。それでも、いまから動けることはあります。

残債と契約状況を確認し、適切に対応する

CICでは、契約が終了するとクレジット情報の保有期限が定まります。まずは開示報告書で契約内容や残債額、登録元の会社を確認しましょう。長期間返済していない債務は、消滅時効が成立している可能性もあります。

支払いを約束したり、一部を返済したりすると、債務の承認として時効に影響する場合があります。長期間未払いの債務については、支払う意思を伝える前に弁護士や司法書士に相談してください。返済義務や金額を確認できた場合は、必要に応じて返済方法や分割払いを相談しましょう。

返済が難しいときは弁護士・司法書士や自治体の窓口に相談する

支払いの見通しが立たない場合は、ひとりで抱え込まずに相談してください。弁護士や司法書士は、任意整理・個人再生・自己破産などの債務整理の相談に応じています。

債務整理を行った場合、JICCでは債務整理の事実が登録対象になります。一方、CICでは債務整理を依頼した事実そのものは登録されません。ただし、延滞や保証履行、破産などの事実は、それぞれの登録基準に従って信用情報に記録されます。債務整理によって返済の負担を軽くできる場合もあるため、どの手続きが合うかは専門家に相談して判断しましょう。

費用が心配な方は、お住まいの自治体の無料法律相談などを利用できる場合があります。内容や条件は地域によって違うため、お住まいの自治体にご確認ください。

携帯契約に困ったなら即モバ

異動の記録が消えるまでには、どうしても時間がかかります。その間も、登録元の会社との支払いの相談や、専門家とのやりとりなどがあるため、連絡のつく電話番号を確保しておきたいところです。

即モバは、携帯電話会社で契約できなかった方でも申し込めるスマホ・SIMサービスです。Webからの申し込み、初期費用の支払い、本人確認を経て、SIMカードの受け取りやeSIMの設定を行います。本人確認は、セブン銀行ATM「+Connect」または佐川急便の受取人確認サポートから選択できます。申し込みの時点で電話番号を持っていない方も、案内ページに載っている専用番号で手続きを進められ、支払いはコンビニ払い(マイペイメント)またはクレジットカードから選べます。

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