債務整理のデメリットとは?手続き別の影響と信用情報に残る期間

信用情報 / 債務整理 10min

債務整理とは?3つの手続きの違い

債務整理とは、返済が難しくなった借金を、法律や話し合いによって整理する手続きの総称です。主な手続きは任意整理・個人再生・自己破産の3つで、デメリットの重さは手続きによって大きく異なります。

まずはそれぞれの仕組みを簡単に押さえておきましょう。

任意整理:債権者と話し合って返済方法を決め直す

任意整理は、裁判所を使わずに債権者(お金を貸した側)と直接話し合い、返済方法を新たに取り決める手続きです。多くの場合、弁護士や司法書士に依頼して進めます。

なお、簡易裁判所の調停委員会が間に入って話し合う「特定調停」という手続きもあります。

個人再生:借金を減らして原則3年で分割返済する

個人再生は、地方裁判所に申し立て、借金を減らしたうえで原則3年間で分割返済する計画を立てる手続きです。計画が認められ、そのとおりに返済すると、残りの債務の免除を受けられます。

利用できるのは、将来も継続して収入を得る見込みがあり、住宅ローンなどを除いた債務の総額が5,000万円以下の方です。

自己破産:財産を処分し、支払い義務の免除を受ける

自己破産は、借金を返済できない「支払不能」の状態で、地方裁判所に申し立てる手続きです。換価・配当の対象となる財産がある場合は金銭に換えて債権者に分配し、免責(支払い義務の免除)の許可決定が確定すれば、原則として借金を支払う責任がなくなります。

どの債務整理にも共通するデメリット

手続きの種類にかかわらず、債務整理には共通するデメリットがあります。ここでは代表的な3つを紹介します。

信用情報に記録され、ローンやクレジットカードの審査が通りにくくなる

債務整理をすると、手続きの種類や信用情報機関によって信用情報に影響が出る場合があります。JICCでは債務整理や破産申立などが登録対象です。一方、CICでは債務整理を依頼した事実そのものは登録されませんが、延滞や自己破産に伴う契約情報が登録される場合があります。こうした信用情報への影響は、俗に「ブラックリストに載る」と呼ばれています。

信用情報は、クレジットカードの作成やローンの審査で確認されます。記録が残っている間は、新しいカードの作成や借り入れ、分割払いの審査が通りにくくなる可能性があります。記録が残る期間は、のちほど信用情報機関ごとに詳しく説明します。

保証人に請求が届く場合がある

借金に保証人がついている場合、債務整理をしても保証人の支払い義務はなくなりません。

たとえば破産法では、免責許可の決定は、債権者が保証人に対して持つ権利に影響しないと定められています。本人の支払いが免除されても、債権者は保証人に請求できるということです。家族や知人が保証人になっている場合は、生活や関係に大きな影響が出るおそれがあります。

専門家への依頼や手続きに費用がかかる

債務整理を弁護士や司法書士に依頼すると、報酬などの費用がかかります。個人再生や自己破産では、裁判所に納める収入印紙代や予納金なども必要です。

予納金などの額は裁判所ごとに異なるため、申し立てる裁判所や依頼する専門家に確認してください。費用の支払いが難しい場合は、後半で紹介する法テラスの制度を利用できる場合があります。

手続きごとのデメリット

共通するデメリットに加えて、手続きごとに特有のデメリットがあります。どれが自分にとって重いかは、収入や財産、借金の内容によって変わります。

任意整理:元本は減りにくく、交渉がまとまらない場合もある

任意整理は、債権者との話し合いで返済条件を決め直す手続きです。そのため、借金そのもの(元本)を大きく減らすのは難しい場合があります。

また、債権者が話し合いに応じなければ、手続きは進みません。整理したあとも返済は続くので、無理のない返済計画を立てることが前提になります。

裁判所が間に入る特定調停でも、裁判所が支払い条件を強制することはできません。返済期間が3〜4年を超えると、債権者の納得を得にくいとされています。

個人再生:準備する書類が多く、官報に掲載される

個人再生では、申し立てる本人が中心となって、多くの書類を期限までに裁判所へ提出する必要があります。提出が間に合わないと、手続きが無駄になってしまう場合もあります。

裁判所も、本人だけで手続きを進めるのは相当難しいとして、弁護士などへの相談をすすめています。

また、手続きが始まると、その事実が官報(国が発行する機関紙)に掲載されます。官報に載った情報は、後述する全国銀行個人信用情報センターにも登録されます。

自己破産:財産の処分、一時的な職業の制限、免責されない支払いがある

自己破産には、ほかの手続きよりも生活への影響が大きいデメリットがあります。

・一定の財産は金銭に換えられ、債権者への配当に回される

・破産手続開始決定を受けた事実が官報に掲載される

・手続き中は、生命保険外務員や警備員など一部の職業に就けなくなる

・破産管財人が選ばれた場合、手続きが終わるまで、裁判所の許可なく引っ越しできない

・税金や養育費、罰金などは、免責されても支払う必要がある

職業の制限は、免責許可の決定が確定すると解除されます(これを「復権」といいます)。財産がほとんどなく、破産管財人が選ばれない「同時廃止」の場合は、引っ越しや郵便物の制限はありません。

浪費やギャンブルが原因の場合など、免責が許可されないこともあります。

債務整理のデメリットは何年続く?信用情報機関ごとの登録期間

債務整理のデメリットのうち、長く続くことがあるのが信用情報への影響です。登録期間は情報の種類や信用情報機関によって異なり、契約終了後5年間、破産・民事再生の手続開始決定日から7年以内などの基準があります。債務整理を始めた日から一律に5〜7年で記録が消えるわけではありません。

CIC・JICC・KSCの登録期間の違い

日本には、主に3つの信用情報機関があります。それぞれの登録期間は次のとおりです。

信用情報機関主な加盟会社債務整理などに関わる情報の登録期間
CIC(シー・アイ・シー)クレジットカード会社、信販会社など契約期間中と契約終了後5年間(自己破産の場合は、免責により契約が終了した日から5年間)
JICC(日本信用情報機構)消費者金融など債務整理・破産申立などの情報は、契約継続中と契約終了後5年以内
KSC(全国銀行個人信用情報センター)銀行など官報に掲載された破産・民事再生の情報は、手続開始決定の日から7年を超えない期間

※JICCの期間は2019年10月1日以降の契約の場合です。

CICでは、官報に掲載された自己破産の情報そのものは登録されません。免責許可の決定が確定したあと、契約が免責により終了した日を契約終了日として登録します。

一方、KSCには官報の情報が登録されます。そのため、個人再生や自己破産をした場合は、ほかの機関より長く記録が残る可能性があります。期間が過ぎた情報は、各機関で自動的に削除されます。

自分の情報がどう登録されているかは、各信用情報機関で開示請求をすると確認できます。

携帯料金の不払者情報(TCA)は別の仕組み

信用情報機関とは別に、携帯電話の料金に関する情報を共有する仕組みがあります。一般社団法人電気通信事業者協会(TCA)を通じた「不払者情報の交換」です。

これは、料金の不払いがあるまま契約を解除された方の情報を、携帯電話会社どうしで共有し、新規契約の審査に使う仕組みです。交換される期間は、契約解除後5年以内です。

TCAによると、料金を完済した場合や、自己破産などで免責が決定している場合は、不払者情報の交換対象外です。ただし、免責については料金不払いがあった事業者がその事実を確認できる必要があります。また、料金を完済しても他社への情報反映には時間がかかり、滞納情報が一時的に残る場合があります。債務整理に関わる信用情報と携帯料金の不払者情報は、別々の仕組みで管理されています。

債務整理をしたあと、スマホや携帯の契約はどうなる?

債務整理をしたあとは、スマホを新しく契約するときや機種変更のときに影響が出る場合があります。影響の出方は「端末代金」と「通信料」で異なります。

端末代金の分割払いは審査が通りにくくなる場合がある

スマホ本体の代金を分割で支払う契約は、クレジット契約(個別信用購入あっせん)にあたります。多くの場合、携帯電話会社がクレジット会社の役割も担っており、代金は通信料と一緒に請求されます。

クレジット契約なので、申し込みの際には信用情報が確認されます。債務整理の記録が残っている間は、分割払いの審査が通りにくくなる可能性があります。端末を一括で購入するか、手持ちの端末を使うことも検討しましょう。

通信料の契約にはTCAの情報が関わる

一方、回線(通信料)の契約の審査では、前述のTCAの不払者情報が使われます。債務整理をしたことだけを理由に、回線の契約が一律にできなくなるわけではありません。

ただし、携帯料金の滞納が残っている場合は、契約が難しくなることがあります。携帯料金を債務整理の対象に含めるかどうかは、いま使っている回線にも関わります。依頼する専門家に、事前に相談しておきましょう。

デメリットを抑えるために、いまからできること

債務整理のデメリットは、手続きの選び方や準備のしかたで軽くできる場合があります。どの手続きが適しているかは個々の状況で変わるため、一人で決めずに相談することが大切です。

弁護士・司法書士や法テラスに相談して手続きを選ぶ

裁判所は中立の立場で手続きを進めるため、債務整理の相談には応じていません。手続きを選ぶ段階から、弁護士や司法書士に相談しましょう。なお、司法書士が代理できる債務整理には、法務大臣による認定や債権額などに応じた制限があります。

費用が心配な方は、法テラス(日本司法支援センター)の民事法律扶助を利用できる場合があります。収入や資産が一定額以下の方は、弁護士・司法書士による無料の法律相談を受けられます。依頼する費用の立替えを受け、原則として月々分割で返済する制度もあります。

利用できるかどうかは、法テラスまたは契約している弁護士・司法書士に確認してください。

保証人がいる借り入れは、手続きの前に伝えておく

保証人がついている借金がある場合は、相談の時点で専門家に伝えましょう。どの借金を整理の対象にするか、保証人にどう説明するかで、手続きの進め方が変わる場合があります。

突然請求が届くと、保証人の生活に大きな負担がかかります。早めに事情を話しておくことで、トラブルを避けやすくなります。

携帯契約に困ったなら即モバ

債務整理は、書類の準備や裁判所からの確認、債権者との調整など、手続き中は連絡を取り合う場面が続きます。そのため、連絡のつく電話番号を確保しておくべきでしょう。

即モバは、携帯電話会社で契約できなかった方でも申し込めるスマホ・SIMサービスです。Webで申し込み、初期費用を支払ったあと、セブン銀行の+Connect(プラスコネクト)「ATM窓口」、または佐川急便の受取人確認サポートを利用して本人確認ができます。手続き中に電話番号の入力も求められますが、電話番号を持っていない方は案内ページの専用番号を利用できます。月々の支払いは、コンビニ払い(マイペイメント)とクレジットカードから選べます。

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